前日カ−ナビに「山北町岩石(がんじき 現村上市)」と入れた、新潟市中心部から約200KMと出た。8時からですと聞いていたので余裕をみて早朝5時に 自宅を出た。未だ暗闇,夜が明けてない 。前日はかなり冷えたので早めに 出た。村上付近で山並が紅く染まってきた、目の前は茶畑で有る。雪の帽子をかぶってる。三面川を渡ると有名な風光明媚な笹川流れを通る海岸道路になる。多 くの奇岩を入れて夕日を撮影する最高の地。右に羽越線と山が切り立って、左手には粟島が朝日を受けている、足元まで波が押し寄せてくる勢い強風の日であっ た。左窓を開けると波飛沫と風が入り混じり轟音が聞こえる。山陰の所では所々凍結している。
やや定刻に着いた会場には村人達が集まり打ち合わせやら雑談をしていた。五十嵐区長さんと皆さんに挨拶を済ませ撮影に入る、それぞれの分担で作 業が始まる。台所で小豆やら米研ぎが行なわれ、大きな”木のへら””へギ”が準備された、昔の祭りの様子等初老の村人は懐かしげに話しをされた”大鍋と薪 でなんぎだったさ〜”と。此処でボタモチ作りに関わる青年達は身を清める為に家に帰って風呂に入りお神酒で清めて来るとの事、昔は川に入り身を清めたそう だ。会館前の小川で米、小豆、野菜を洗ったりましたそうだ、今でも見ると水量豊富で清流だ、手で汲んで飲んだら冷たくて甘い感じがした、ミネラル分が多い かな?やがて小豆が煮え、米が炊ける頃青年達は会館に集合して下さいと声が掛かった。こざっぱりしてほんのり顔に紅色が見えた。台所では小豆の香りが湯気 が充満してる。始めにあの”大へら”で小豆を半つぶしします、鍋の中で互いに力入れて潰します。そして味付けです、豪快に手匙です、味はピタリと決まり次 は”ボタモチ作り”です。全てこれ等の作業は身を清めた青年達がします。”へギ”が用意され”大ボタモチ”が作られます、熱い熱いと手の平を赤くして笑顔 で作ってます。神前に奉納の為の三個が”へぎ”いっぱいに収められ準備出来ました。若者達は会場用自宅用と沢山のボタモチを更につくります。
役員等はお神酒、スルメ、ボタモチを持ち神社(山の神)へ奉納と山の安全を祈願します。お下がりを持ち会場に持ち帰ります。会館二階では宴席が 用意され五十嵐会長の挨拶でボタモチ祭りの始まりです。”大ボタモチ”食べは今年初参加の青年が主役です。”大きなボタモチ”を両手に抱えても未だはみ出 す大きさです。一口食べて!暫くは無口に!飲み込む!時折笑顔が出るが辛らそ〜です。区長さんも食べてます、やはり辛らそ〜です 昔は”大ボタモチ”を何 とか完食しても”腹を見せろ”と言いながら囲炉裏から燃えた芝木を腹に近づける、すると熱いから腹を凹ます。すかさず””未だはいるぞ〜”と更に食べさせ る拷問にも似た事が行なわれてたそうですね。(何処の地でしたか、大茶碗に山盛りのご飯を食べさせる 強飯 なる行事と似てますね)さて奉納したお下がり の大ボタモチが麻紐(手作り)によって切り分けられます。小ボタモチと共に各家庭にお土産に持ち帰るそうです。私も頂戴しました、塩味のボタモチは何か懐 かしさを感じました。昔話等で宴がたけなわですが区長さん、住民に方々に挨拶して「岩 石集落」を後にしました。外は”ぼさぼさ”牡丹雪が降り始めまし た、皆様有難う御座いました。我が家では塩味ボタモチ好評でした。 2009.01.12 撮影記 fuji
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