“延々と張りめぐらせた壕と土塁、かやぶき屋根の堂々たる表門の奥に、往時の威風を映す。”旧笹川家住宅は、江戸時代に旧村上藩の大庄屋を務め、味方組八ヵ村を支配していた笹川氏の旧屋敷です。
初代当主は武田治右衛門源義勝です。川中島の戦いの後、信州飯山のふもと笹川村から当村へ移住し、改姓したといわれています。大庄屋に任命されたのは慶安二年(1649)、三代目の彦左衛門源信秀の時です。大庄屋制は徳川封建時代の制度で、主として戦国時代の郷士が任命され、村々の庄屋を統治し、年貢の取り立てや命令の伝達、治安、警察、裁判の権利を与えられました。以後、明治維新までの約2百年間、笹川氏が9代にわたって大庄屋を世襲、維新後も大地主として君臨し、治水事業につくし、役宅はそのまま邸宅となりました。 |