7月23日は、子供が楽しみにしていた地蔵様の日である。地蔵様は子供の守り神といわれて深く信仰され、父も祖父もその父もずっと幼い日にこの祭りを行ってきた。
村上の地蔵様の祭りは京都、大阪の地蔵盆と大変よく似ている。京都の地蔵祭りは8月23〜24日で、町内ごとに石地蔵の前に假宮を組み、供物、灯明を供えて子供が百万遍念仏を唱えたりする。京都に育った人達も子供の頃の地蔵盆の楽しい思い出を持つという。
江戸時代の記録が残されていて「難波鑑」延宝8年(1680)には、「けふは地蔵の御えん日にて町々の辻に、わらわべども供物、灯明をかかげてまつる也」とある。
京都の近くの「若狭国小湊領風俗問状答」文化12年(1815)には「七月廿四日地蔵祭り、辻々の石地蔵迄(中略)いろいろの供物、子供うち集まり頻りに鉦をならし南無地蔵大菩薩と唱ふ」とある。現在の村上地蔵祭りと同じことに驚く。
そして、村上と京都、大阪との交流の歴史をあらためて思う。提灯の淡い明りに誰もが幼い日にかえるこの祭りをだいじにしていきたいと願う。
- 村上商工会議所 より -
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